過信してはいけない定期預金の「安全神話」

今は銀行が倒産する時代

「定期預金は何があっても損しないから安全」と信じていませんか?ひと昔前であれば、定期預金は元本割れしない安全な貯蓄方法と言われてきました。その理由は、「銀行は倒産なんてしない」と言われていたからです。

ですが、銀行が倒産する時代になった現在では「定期預金=絶対安全」ではなくなってしまいました。特に、1つの銀行に1000万円以上お金を預けている人は注意が必要です。

高額になるほど無視できない「信用リスク」

銀行が倒産したら、1000万円+利息分はきちんと預金保険機構が返金(ペイオフ)してくれます。ですが、1000万円+利息よりも高額のお金を預けていた場合、返してくれる保証がありません。つまり、1000万円以上を1つの銀行に預けることで元本割れの原因となる「信用リスク」が発生します。

びた一文返金してくれないわけではありませんが、破綻した銀行の財政状況によっていくら返金されるか決まります。そのため、銀行がかなりの財政難で破綻した場合、1000万円+利息以上は全額返済されないケースもありうるのです。

さらに、この「1000万円」という金額は定期預金だけではなく、1つの銀行のすべての口座を合わせた金額です。つまり、「定期預金で800万円、普通預金で400万円」を預けていた場合の合計は「1200万円」になるので、200万円は銀行が破綻したときに全額返金されるかわかりません。

信用リスクを回避しながら定期預金をする場合は、複数の銀行に預けるほうが安全です。1つの銀行に1000万円以上預けないようにしましょう。

定期預金ではお金は育たない

たとえばゆうちょで定期預金をしていた場合、2018年4月時点の金利は「0.01%」です。100万円を預けていたとしても、税金を引かれると1年で増えるお金はなんと「79円」にしかならず、とてもお金を増やす有効な手段とはいえません。

定期預金は元本割れせず安全だからこそ低金利と言われていますが、それでも「信用リスク」が伴うので絶対に元本割れしないとは言えないのです。

「定期預金にするまとまった資金があるなら、ほかの手段でお金を増やす」というのが語られない銀行員の本音とも言われています。